関節リウマチと骨粗しょう症

関節リウマチで最も多い合併症は、骨粗しょう症です。
関節リウマチによる炎症や、服用している薬が原因で骨がもろくなってしまいます。
関節リウマチでは、関節を動かしにくくなり、転倒などのリスクが増えるのに加え
さらに骨粗しょう症になると骨量が減って骨折しやすくなります。
骨粗しょう症は自覚症状がないので、注意が必要です。
監修:東京大学大学院医学系研究科外科学専攻 整形外科学 教授
田中 栄 先生
骨粗しょう症とは?
骨粗しょう症は骨がもろくなってわずかな力でも骨折しやすくなる病気です。
骨粗しょう症は、老化やカルシウム不足のほか、運動不足や喫煙、飲酒といった生活習慣も関係しています。
骨粗しょう症を起こす原因
骨量の変化
骨粗しょう症が起こるメカニズム
骨は一生の間、常に古い骨を溶かして新しい骨をつくる作業を行っています。これを「骨代謝」といいます。
健康な骨は、古い骨を破壊する「骨吸収」と新しい骨をつくる「骨形成」のバランスがとれていますが、このバランスが崩れ、骨吸収が骨形成を上回ると、骨粗しょう症になります。
骨粗しょう症になると骨量が減って骨折しやすくなります。
転倒による骨折がきっかけとなり、やがて「寝たきり」となってしまうケースが多くあります。
関節リウマチと骨粗しょう症の関係は?
関節リウマチで一番多い合併症です。約半数の方に見られます。
関節リウマチの患者さんは、骨粗しょう症になりやすい要因をいくつもかかえています。
要因1・関節リウマチの炎症
関節リウマチでは、炎症に起因するさまざまな物質が骨吸収(骨の破壊)を促したり、骨の形成を抑えたりして、骨密度が低下しやすくなります。長期にわたると、局所から全身に骨粗しょう症が広がり骨の強度が失われます。
炎症性細胞やサイトカインが破骨細胞の働きを活発にする
要因2・ステロイドの使用
関節リウマチの治療には、ステロイド(副腎皮質ホルモン)が使われることがあり、長期使用によって破骨細胞の働きが活発となり、骨量が減ってしまいます。
骨の健康を保つために
バランスのとれた食事と適度な運動、日光浴が大切です。
食事
骨の成分であるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨をつくるのに重要なビタミンK、骨の劣化を防ぐ葉酸などが豊富な食材を積極的に取り入れましょう。
運動
骨の強度を保つには、骨に適度な刺激を与える運動が不可欠です。
運動機能を保つことは転倒防止にもなります。骨の健康に必要なビタミンDは、日光を浴びることで皮膚で産生されます。
日中に買い物に出かける程度の日光浴が、骨の健康の維持につながります。
※自分のできる範囲で無理なくはじめましょう。
定期的に骨密度の検査を受け、問題があれば
積極的に骨粗しょう症の治療をして骨折を予防していきましょう。
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