先生からのメッセージ
- 医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター
- 膠原病リウマチ内科 科長
多職種連携で患者さんをサポート
高次医療機関である当院は合併症のある患者さんや、治療抵抗性の患者さんが多いため以前から他科や多職種との連携に力を入れています。とくに多職種連携では、関節リウマチの専門知識を持った看護師、薬剤師、作業療法士、検査技師などからなるチームを作り、様々な角度から患者さんを支える体制を整えています。
関節リウマチはかつての不治の病というイメージから、診断されると「どうせ良くならない」と悲観的になり、治療を放棄してしまう患者さんがおられます。しかし、関節リウマチの治療は進歩しています。適切な治療を行うことで病気ではなかった時と同じように過ごせている方も少なくありませんから、前向きに治療を続けていただければと思います。治療継続のためには医療従事者とのコミュニケーションが大切です。忙しくて通院できない、経済的な負担が大きいなど治療を行う上で問題があれば、まずは主治医にご相談ください。民間療法などを行いたいという場合も事前にお伝えください。医師に言いにくい場合は、看護師や薬剤師、作業療法士などでも結構です。何事も主治医や医療スタッフと一緒に乗り越え、治療をきちんと続けていただきたいと思います。
歯周病予防と禁煙に努める
関節リウマチの患者さんに日頃から気を付けていただきたいことは、①身体を冷やさない、②重いものを持たない、③たばこをやめる、④歯周病に留意し口腔内を清潔に保つ、の4つです。歯周病は意外かもしれませんが、歯周病があると関節リウマチが悪化しやすいことが知られています。口腔内を清潔にし、禁煙を守っていただけば、関節リウマチの悪化要因をかなり減らすことができます。
ご家族だけで患者さんを抱え込まないことも大切
関節リウマチ患者さんのご家族は、優しく、甲斐甲斐しい方が多いように思います。しかし、それだけにご家族だけで患者さんを抱え込んでしまい、疲弊してしまうケースも見受けられます。ご家族が疲弊してしまうと、患者さんの治療もうまく進まないこともありますので、介護保険が適用できる公的サービスなどは十分活用していただきたいと思います。患者さんに肢体不自由がみられる場合は、障害者手帳の交付申請について市区町村の保健所と相談してみてください。医療費の負担を軽減するには高額療養費制度があります。病気が悪化し悪性リウマチとなった場合には、指定難病の認定を受けることで、指定難病の医療費助成制度を利用することもできます。
髙木 賢治 先生
東京医科大学第3内科及び各関連病院、東邦大学医療センター大森病院膠原病科を経て2016年より現職。
医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター
病床数:337床
所在地:埼玉県さいたま市北区土呂町1522