患者さんにもう一つご理解いただきたいのは、「あなたが関節リウマチで苦労していることについて、たとえご家族でも真に理解できるわけではない」ということです。本当の辛さはかかったご本人でないと分かりません。医師の私ですら、患者さんが感じる同じ痛みを自分が感じられるわけではないのです。ですから、「ご家族や周りの人に痛みを理解してもらう努力をするよりも、関節リウマチを良くすることに注力しましょう」と患者さんにはいつもお話ししています。

　一方、高齢で発症した関節リウマチは疾患活動性が高い場合が多く、自立生活の目安となる日常生活動作（ADL）の急激な低下が懸念されます。また、加齢に伴い関節リウマチ以外にも様々な疾患を合併するようになりますので、複数のお薬を飲まなくてはならない患者さんも多くなります。高齢の患者さんのいるご家族には、日常生活におけるサポート、服薬管理や副作用への注意、骨折や感染症に気を付けるなどのご協力をお願いしたいと思います。