先生からのメッセージ

感染症に注意しながらしっかり治療を

  • 加古川中央市民病院 リウマチ・膠原病内科 主任科部長
Yamane Takashi
山根 隆志先生

処方された薬に不都合があれば必ず主治医に相談を

 関節リウマチの治療で最も大事なことは、処方された薬をきちんと服用することです。患者さんの中には、症状が改善してきたから、体調不良があったから、薬を飲むと体調が悪くなるからなど様々な理由で薬を服用しなくなるケースが見受けられます。しかし、自己判断での薬の中断は、関節リウマチの悪化につながります。薬を中断したい場合や中断された場合は、その理由や期間などを主治医に必ずお話しください。主治医は患者さんと十分なコミュニケーションをとりながら、個々の患者さんに寄り添った治療を進めていきたいと思っています。

ワクチン接種や定期的ながん検診を

 関節リウマチ患者さんは、病気そのものや免疫を抑制する薬の投与により、外敵から身を守る自己免疫機能が低下しやすいとされています。そのため、特に感染症のリスクが高まりますので注意が必要です。

 感染症対策としては、手洗いやマスクの着用のほかに、ワクチン接種があります。肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチン、新型コロナワクチン、帯状疱疹ワクチンなど可能な限り受けていただきたいと思います。

 また、肺炎にもご注意ください。息切れ、発熱などの症状があれば、次の予約受診日を待たずに早めに主治医に連絡してください。

 がんに関しては、関節リウマチ患者さんでは健康人と比較して、特に肺がんや悪性リンパ腫の発症率が高い傾向にあります。年に1回はがん検診や人間ドックを受けましょう。

山根 隆志先生

なるべく身体を動かして

 新型コロナウイルス感染症の流行以降、外出自粛の影響で運動不足になり、血糖値やコレステロール値が高くなっている患者さんが見受けられます。ある程度の運動は、関節リウマチの進行を防ぐためにも大切です。感染への注意は依然必要ですが、人込みを避けてウォーキングを行うなど、身体はなるべく動かすようにしてください。

 関節リウマチがどんな病気なのかは、病気になるまで患者さんご自身もご家族など周囲の方もあまりご存じなかったと思います。特に周囲の方が患者さんの辛さを理解するのはなかなか難しいところがありますが、理解に努め患者さんの支えになっていただければと思います。

山根 隆志先生
山根 隆志先生

山根 隆志

1999年神戸大学医学部卒業。同年同大附属病院内科。2000年兵庫県立淡路病院内科。2002年甲南加古川病院リウマチ膠原病センター。2014年加古川西市民病院リウマチ膠原病内科医長。2016年加古川中央市民病院リウマチ膠原病内科主任医長。2017年より現職。

加古川中央市民病院

病床数:600床
所在地:兵庫県加古川市加古川町本町439番地

取材:2023年
Page top