先生からのメッセージ

糖尿病合併関節リウマチ患者さんにおける血糖管理の重要性

  • JA北海道厚生連 旭川厚生病院
  • 内科/代謝内分泌 主任部長
Miura Takanori
三浦 貴徳先生

関節リウマチの高齢発症が増加し、他疾患との鑑別が重要に

 当院は北海道の最北に位置する関節リウマチを専門に診る科を有する施設です。稚内や名寄といった北部地域には関節リウマチの専門医がいないため、多くの患者さんが遠方から通院されています。

 近年、関節リウマチでは高齢発症の患者さんが増加しています。この傾向に伴い、高齢者に多く見られる筋肉や関節の痛みを主症状とし、肩や腰の痛みが特徴的な「リウマチ性多発筋痛症」や手足の浮腫を伴う関節炎である「RS3PE症候群」などとの鑑別が困難となっています。これらは関節リウマチと症状が酷似しており、より慎重な診断が求められています。

三浦 貴徳先生

糖尿病合併関節リウマチ患者さんでは食事管理・体重管理が大切

 高齢の関節リウマチ患者さんでは多くの方が高血圧や糖尿病など、いくつかの疾患を合併しています。当科は関節リウマチと糖尿病の両方を専門的に診療しており、包括的な治療を行っています。

 糖尿病を合併している患者さんの場合は、関節リウマチ治療に先立って血糖値をコントロールします。なぜなら、血糖値がコントロールされていないと関節リウマチ治療の選択肢が狭まることがあるからです。また、関節リウマチの治療では免疫抑制作用のある薬剤を使用するため感染症対策が重要ですが、血糖値のコントロールは感染リスク低減の鍵となります。

 血糖値のコントロールに大切なのは、適切な食事管理による適正体重の維持です。食事管理・体重管理は薬の効果を高め、糖尿病の改善を促します。同時に、適正体重の維持は関節への負担を軽減し、関節破壊の進行を遅らせる可能性があるため、関節リウマチにも好影響を与えます。反対に過剰な体重増加は脂肪肝のリスクを高め、肝機能を悪化させることがあります。関節リウマチ治療薬には肝機能が悪いと使用できないものがあるため、その意味からも食事管理・体重管理は重要です。

 食事管理では特に間食を控えてください。また、体重管理には運動も有効ですので、散歩や軽い体操などを無理のない範囲で行うことが推奨されます。これらは患者さん自身の努力になりますが、しっかり取り組むことで治療成果の向上が期待できます。

ご家族のサポートで適切な服薬管理を

 関節リウマチの治療では、服薬を正しく継続することがとても重要です。痛みが和らぐと服薬を忘れがちになりますが、服薬の中止は病気の悪化につながります。症状が悪化した場合は薬の増量が必要ですが、急激な増量は副作用のリスクを高めます。

 高齢の関節リウマチ患者さんの場合は、認知機能の低下や日常生活能力の低下により服薬管理が困難になることがあります。そのため、ご家族には服薬状況に注意を払っていただきたいです。医療者と患者さん、そしてご家族が連携し、協力して服薬管理と生活支援を行うことで、より良い疾患管理が可能となります。

 関節リウマチの治療は近年、劇的な進歩を遂げています。現在では、寝たきりになるような患者さんはほぼおらず、適切な治療を受けることで多くの患者さんが今までと変わらない生活を送れるようになってきています。予後も良好ですので、前向きに治療を継続していただきたいと思います。

三浦 貴徳先生
三浦 貴徳先生

三浦 貴徳

1990年旭川医科大学医学部医学科卒業。同年同大学医学部附属病院第二内科。1991年青森県立中央病院ローテート研修医。1992年上川町立病院。1993年置戸赤十宇病院。1994年旭川医科大学医学部附属病院第二内科。同年大西病院。1995年旭川医科大学医学部附属病院第二内科医員。1996年同院同科助手。1997年同院同科医員。1999年同院同科助手。2001年旭川厚生病院主任医長。2007年より現職。

JA北海道厚生連 旭川厚生病院

病床数:460床
所在地:北海道旭川市1条通24丁目111番地

取材:2024年
Page top