先生からのメッセージ
- 弘前大学医学部附属病院 消化器血液膠原病内科助教

悩みや不安はありのままに伝えて
日常診療において大切なことは、患者さんの声に真摯に耳を傾けることと考えています。患者さんが体調不良などを訴えた際、その訴えが医学的に正確ではなくとも、まずは患者さんの思いをそのまま受け止め、その上で最適な治療方針を一緒に探っていきます。患者さんの思いを尊重するこの姿勢は、信頼関係を築く上で重要です。ですから、患者さんも悩みや不安があれば、ありのままにお話しいただければと思います。
心血管病や皮膚病の合併に注意する
関節リウマチは、関節の痛みや腫れを引き起こすだけでなく、全身の血管にも影響を及ぼします。そのため、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管病を合併しやすくなります。これらの合併症を予防するためには、血圧、コレステロール、血糖値を適切に管理することが重要です。また、バランスの良い食事や禁煙、適度な運動など生活習慣の改善も行ってください。
皮膚病にも注意が必要です。手足の変形が進んだ患者さんでは、足の指の間を洗うなどの細やかなフットケアが困難となり、水虫などの真菌感染症のリスクが高まります。足や足の爪の感染症は、放置すると皮下の深い層まで炎症が広がり、深刻な状態につながる可能性があります。日頃から清潔を心がけ、気になる症状があれば早めに主治医にご相談ください。

年一度のがん検診を
患者さんの多くが、定期的ながん検診を受けていない傾向があります。これは、関節リウマチ診療での定期的な血液検査で十分だと誤解していることが一因です。しかし、これらの検査ではがんの検出はできません。関節リウマチが改善しても、がんが進行してしまっては本末転倒です。リウマチ治療と並行して年に一度はがん検診を受けることを強く推奨します。
診察時にはご家族の同伴を推奨
関節リウマチの治療は、薬の使い方が複雑であるなど、患者さん一人で全てを管理するのは困難です。体調不良を伴うため不安も多く、病気だけでなく日常生活全般にわたるサポートも必要となります。特に若い結婚を控えた患者さんには、パートナーと一緒に診察を受けることをお勧めしています。これにより、病気や治療に関する理解を共有し、将来の生活設計に役立てることができます。高齢の患者さんも診察時にはご家族に同伴いただき、病状や治療の詳細、日常生活での注意、介護保険などの情報を共有していただきたいと思います。
関節リウマチは深刻な病気ではありますが、過度に恐れるあまりご自身の人生の意義を見失わないでください。治療を適切に継続し病気と共存しながらも、趣味や楽しみを持ち、各々の個性や価値観に基づいた人生を歩んでいただきたいと思います。病気に振り回されず、自分らしい人生を積極的に築かれることを切に願います。


蓮井 桂介 先生
2007年弘前大学医学部医学科卒業。同年青森県立中央病院初期研修医。2009年五所川原市立西北中央病院第一内科。2010年弘前大学医学部附属病院消化器血液膠原病内科。2013年弘前大学大学院医学研究科修了。同年公立野辺地病院内科。2015年青森県立中央病院消化器内科。2018年より現職。
弘前大学医学部附属病院
病床数:636床
所在地:青森県弘前市本町53